実録「なぜ、君は代表になれないのか」

小川氏が所属するのは「サンクチュアリ」という旧社会党中心のグループで、立憲では最も数が多く、27人が名を連ねる。

小川氏は代表選が行われると決まると、11月2日に自身のツイートで<次世代で何が出来るのかを真摯に考え、取り組む所存です。私なりの決意は固まっています。すでに賛同を示して下さっている同志と丁寧な協議を重ね、改めて態度表明をさせていただきます>と意欲を示した。

ところが、立候補に暗雲が垂れ込めている。その要因は、立憲の最高顧問や衆院副議長を務め、引退したサンクチュアリのトップ、赤松広隆氏の存在だという。

「赤松氏が毎日のように立憲の議員の事務所を訪ねては、いろいろと持ち掛けている。事実、私が不在の時も赤松氏は事務所にお越しになられた。サンクチュアリは最大グループなので、その気になれば2人の候補に推薦人を用意できる。赤松氏が院政を敷こうとし、小川氏という候補がいながらサンクチュアリがまとまらないと聞いている。他のグループも対応に苦慮している」(立憲の国会議員)

サンクチュアリ所属の国会議員はこうぼやく。

「赤松先生がうちの会合に来ちゃうのかな、誰も止められないもんね。また混乱しちゃう。うちは小川氏ではなく、衆院5期の逢坂誠二氏を擁立することが決まってしまった。前評判の高い小川氏だが、サンクチュアリ以外からも推薦人を集めないと、とても無理らしい。小川氏側から泣きが入っている」

そして逢坂誠二衆院議員は20人の推薦人を確保できたとして、16日夜、代表選に出馬する意向を表明した。

枝野氏の下で政調会長を務めた泉健太衆院議員も16日夜、出馬を表明。旧国民のグループ「新政権研究会」(22人)に所属している泉氏も推薦人を確保した。菅直人元首相の「国のかたち研究会」(16人)は、衆院当選6回の西村智奈美衆院議員を推している。しかし、西村氏本人からはまだ、正式な態度表明がない。