「衆院選で261議席をとって勝ったという側面はあるが、正直、敵のダメさにも助けられての支持率アップだね」

衆院予算委員会で質問する野党共同会派の小川淳也氏(中央)
写真=時事通信フォト
衆院予算委員会で質問する野党共同会派の小川淳也氏(中央)=2020年2月17日

こう苦笑するのは、自民党幹部だ。目線を落とすのは、マスコミの世論調査結果だ。

NHKの世論調査(11月5日から3日間)によると、岸田内閣を「支持する」と答えた人は、衆議院選挙の1週間前に行った調査より5ポイント上がって53%だった。11月13、14日の産経・FNN合同世論調査では、63.2%とさらに高くなった。

10月に政権が発足し、すぐに衆院選を決行した岸田文雄首相。国会論戦もはじまっておらず、「手柄」は衆院選の勝利のみだが、支持率はじりじりとアップしている。

自民党幹部はアゲの要因の一つ目として立憲民主党(以下は立憲)と国民民主党(以下は国民)がともに略称を「民主党」としたことをあげる。

朝日新聞デジタル(11月12日配信)はこう報じている。

<衆院選比例九州ブロックで、「民主党」と書かれた投票用紙が福岡県内だけで10万票を超えたことが県選挙管理委員会への取材でわかった。立憲民主党と国民民主党がともに略称として用いたため、両党の得票割合に応じて「案分」された>

この状況は全国でみられたという。

「どちらも民主党という略称を使ったので、票が割れた。おそらく民主党票の多くは立憲に投じたものだと思われる。略称など立憲が失敗しなければ、議席はあと10~15程、増えていてもおかしくなく、逆に自民党にプラスになった」(前出・自民党幹部)

さらに自民党幹部は二つ目の要因として、最大野党である立憲の代表選の迷走をあげている。

枝野幸男代表が衆院選の敗北の責任をとり、辞任表明。11月19日告示、30日投開票という日程で立憲の代表選が決まった。立憲は自民党ほど結束の強い派閥はなく、グループで緩やかにまとまっている。

映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』で人気となり、衆院選でも香川1区で平井卓也前デジタル大臣に圧勝した小川淳也衆院議員が当初、本命視されていた。