読売新聞記者が競合他社に取材情報を漏洩したワケ

読売新聞男性記者(32)による情報漏洩問題が、8月27日付の読売新聞朝刊紙面で明らかになった。東京本社社会部の男性記者が司法記者クラブに所属していた昨年、読売新聞が得ていた検事総長秘書官セクハラ疑惑などの取材情報を、週刊誌女性記者やテレビ局女性記者などにメールや電話で漏洩していたのだ。

女子力と役割
写真=iStock.com/3dts
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関係者などによると、男性記者は東京地検特捜部などを担当していたA氏。A氏は妻帯者で、妻は地方局アナウンサーだ。雑誌『ZAITEN』が読売新聞にこの問題について取材をかけたことで、慌てた読売新聞が社内不祥事として公表した形になったという。

この件は春先から記者間では話題になっていた。A氏から取材情報をまとめた記者メモがわたった週刊誌記者Bさんの雑誌に、検事総長秘書官の不祥事の記事が掲載された。しかし、この読売の記者メモには事実誤認があり、それと同じ内容がそのまま週刊誌記事になっていたため、「読売メモから流出していた」との疑惑が持ち上がったのだ。

読売記事は情報漏洩について、「『報道目的で得た情報は、読売新聞の報道およびそれに付随した活動以外に使ってはならない』と定めた読売新聞記者行動規範に違反している」と指摘している。

A氏とBさんは昨年7月に取材先で知り合い、その後に複数回飲食する関係になっていた。A氏は飲食の際に不適切な関係を迫っていたとされ、漏洩理由について「女性記者によく思われたかった」と話しているという。