試合に集中したいNBAトップ選手も取り入れている
アメリカのバスケットボール・NBAで、フィル・ジャクソンという監督(ヘッドコーチ)がいました。監督として歴代最多の11回の優勝を果たしている名将ですが、別名、「ゼン・マスター(禅マスター)」と呼ばれていました。
バスケットボールにも禅の考えを持ち込み、試合の途中で興奮して集中できていない選手がいると、時折ベンチで禅を組ませることがありました。NBAの中でも大柄な身長2mを超える選手が、指示されてベンチで目をつぶって禅を組んでいる姿は衝撃的でした。その流れもあってか、今でもNBAでは禅やマインドフルネスがチームや個々人の取り組みとして時折取り入れられています。
マインドフルネスにはいろいろな方法があるのですが、レブロン・ジェームズというトップ選手が語っていたイメージを紹介します。
NBAの試合は、コートの脇に何万人という観客がいて、歓声や邪魔をする声が飛び交います。本拠地ではないチームのフリースローのときなどは、本拠地チームのブースター(ファン)がゴール裏に細長い風船を持ってブーイングをして、懸命に選手の気をそらそうとします。その中でもレブロン・ジェームズというトップ選手は試合に集中するために、マインドフルネスの要素を取り入れて、次のようなイメージを持っているそうです。
Step1:ゆっくり深呼吸をする
Step2:周りの観客やカメラマンなどが、自分の周りから消えていくイメージを持つ
Step3:同時に音も消えていき、最終的には自分とゴールだけが残る
自宅で簡単にできるマインドフルネス
私達は、周りに選手や観客がいるわけではありませんので、これを少しアレンジして、自宅でもできるお試しマインドフルネスにするとこうなります。
Step1:目を閉じて、深呼吸をゆっくり数回する
Step2:深呼吸を続けながら周囲のものが暗くなり、音も消えていくイメージを持つ
Step3:自分の呼吸だけに意識を集中させる
最初は、深呼吸をしていても、「あれしなきゃ」「これから何食べよう」など雑念が湧いてくるかもしれません。しかし、どんな雑念が湧いてきてもそれをそっと意識の横において、呼吸に集中していきます。
呼吸は、鼻からゆっくり吸って、口からゆっくり吐きます。1・2・3・4……とゆっくり数えて鼻から吸い、1・2・3・4……とゆっくりと数えて口から息を吐き出します。鼻で吸うときは、空気の冷たさを感じましょう。口から吐くときは、温かい空気が出ていくことを意識します。
これを数分行って、少し落ち着いた気持ちになっていれば、マインドフルネスは成功です。