PV中毒になるな
数字には中毒性がある。部数やPVが増えると、止めどなく数字を追うようになってしまう。
フライデー事件を繰り返してはいけない。PVを取るためなら何でも許されるわけでは決してない。
だからこれまで泣く泣くボツにしたスクープもある。衆議院議員だった宮崎謙介さんの「ゲス不倫」スクープ(2016年)も編集部で話し合い、妻の金子恵美さんの出産が無事終わるまでは報じることを控えた。「やりすぎだ」「こんなことまでやるのか」となってしまえば、築いてきた信頼を一瞬にして失いかねないからだ。
それを踏まえた上で、報じるテーマ選び、報じ方に心を砕かなければならない。収益だけを求めるなら、俗情を刺激するようなスクープばかりをどんどん出していけばいいのかもしれないが、それでは週刊文春や文藝春秋の看板に傷が付く。「いつから芸能ゴシップ誌になったのか」という批判は常に自覚している。