“実家じまい”はいつ考え始めるのが理想的か。“実家じまい”に詳しい大井あゆみ氏は「久々に帰省した際は、親だけでなく『家の様子』も注視したい。一見、元気そうに見えても要注意のサインが表れているかもしれない」という――。
住宅
写真=iStock.com/Cristi Croitoru
※写真はイメージです

親と実家の変化は「以前との違い」に表れる

お盆に久しぶりに実家へ帰ると、「親は思ったより元気そうだし、まだ大丈夫」と感じる方は多いかもしれません。

もちろん、親御さんが元気でいてくれることは何よりです。ただ、久しぶりに会う子どもに心配をかけまいと、親御さんがいつもより元気に振る舞っていることもあります。帰省に合わせて家の中を片づけたり、身なりを整えたり、食事を用意してくれたりすることもあるでしょう。

その姿を見ると、子どもとしては安心しますし、「まだうちの親は大丈夫」と思いたくなるものです。けれど、元気そうに見える姿だけで、日々の暮らしに困りごとがないと判断するのは少し早いかもしれません。

一方で、久しぶりに帰省するからこそ気づける変化もあります。毎日のように見ていると見過ごしてしまうような小さな変化も、ひさびさに実家を訪れると「あれ、前と少し違うな」と感じることがあるからです。

私自身、実家じまいを経験した当事者として、またWebメディア「実家のこと。」を通じ、さまざまな方にお話をうかがうなかで感じるのは、親や実家の変化が“大きな問題”として表れるとは限らないということです。むしろ、以前と比べたときの“小さな違い”として見えてくることも少なくありません。

こうした違いは、実家のこれからを考えるうえで見逃したくないサインです。ただし、大切なのは「親ができていないこと」を探すことではありません。以前の親御さんや実家の様子と比べて「暮らしに負担が出ていないか」を知ることです。

今回は、お盆帰省で気づきやすい実家の変化を3つご紹介します。

注:事例はプライバシー保護のため一部設定を変えています。

①使っていない部屋が物置状態になっている

まず見ておきたいのは、使っていない部屋が物置状態になっていないかです。

かつて子ども部屋だった部屋、客間、納戸、和室など、以前は使っていたはずの部屋に、いつの間にかモノが積まれている。季節用品、古い家具、子どもが置いていった荷物、使わなくなった家電などがそのままになっていたり、押し入れに詰め込まれていたりする。親御さん自身も「何がどこにあるのか、もうよくわからない」と話す。

こうした状態は、実家の管理が少しずつ負担になっているサインかもしれません。

関東在住のAさん(50代)は、お盆に実家へ帰省したとき、かつて自分が使っていた部屋がほとんど物置になっていることに気づきました。母親(70代)は「片づけたいとは思っているんだけど、どこから手をつけたらいいかわからなくて……」と話したそうです。

特に実家が2階建てで、2階の部屋をほとんど使わなくなっているなら、階段の上り下りが負担になっている可能性もあります。2階に子ども部屋や納戸がある場合、親御さんだけで片づけるのは難しくなりますし、換気や掃除も行き届きにくくなります。

このとき大切なのは、「なんでこんなにモノをためているの?」と責めないことです。まずは、「この部屋、最近使っている?」「私の荷物も残っているよね。今度持ち帰るね」と、親御さんの負担を聞くところから始めるとよいでしょう。