きれいだった実家の庭に「枯れた木」が
Cさん(50代)は、久しぶりに実家へ帰ったとき、門扉から玄関までのアプローチに雑草が増えていることに気づきました。父親(80代)は庭いじりが好きで、以前はいつもきれいに手入れしていたそうです。ところが、その年は庭木の枝が伸び、玄関先の植木鉢もいくつか枯れたままになっていました。
父親に聞くと、「暑いし、腰も痛いから、最近はあまり庭に出ていない」と話したそうです。Cさんはそのとき初めて、庭の手入れが父親にとって大きな負担になっていることに気づきました。
庭が荒れているからといって、すぐに「もうこの家に親は住めない」と考える必要はありません。庭木を減らす、草むしりを外部に頼む、防草シートを敷くなど、住み続けるための工夫もあります。
ただ、庭や外まわりの管理が長期的に難しくなっている場合は、これから先その家をどう維持していくのかを考えるタイミングかもしれません。親御さんが施設に入ったり、別の住まいに移ったりしたあとも、空き家になった実家の管理は残るからです。
小さな変化を見過ごすと発生しうる負担
こうした変化は、今すぐ大きなトラブルにつながるとは限りません。だからこそ、「まだ大丈夫」と見過ごしてしまいやすいものです。
ただ、時間が経つほど、片づけや家の管理にかかる負担は大きくなりがちです。使っていない部屋にモノが積み重なったままになると、いざ片づけようとしたときに、何を残し、何を処分するのかを判断するだけでも大きな労力がかかります。親御さんの体力が落ちてからでは、一緒に片づけることが難しくなり、結果的に子ども側だけで対応しなければならないこともあります。
庭や外まわりの管理も同じです。草木の手入れができないまま時間が経つと、近隣への配慮が必要になることもあります。実家が空き家になったあと、外部の見守りサービスや巡回サービスを利用する場合、月1回の簡単な巡回でも月額数千円から1万円前後かかるとされています。
草刈りや庭木の剪定、修繕などを依頼すれば、さらに費用が必要になる場合も。一つひとつは大きな金額でなくても、年に何度も頼むことになれば、年間で数万円から十数万円ほどの負担になることもあります。
だからといって、親御さんに「このままだと大変なことになる」と追い詰める必要はありません。小さな変化は、実家のこれからを考えるための早めのサインとして受け止めておくとよいでしょう。

