仕事も勉強も「興味、好奇心が大事」と言われます。では、それはどうやって育んでいけばよいのでしょうか。A面(本業)以外に、個人的なB面を持った社員たちが集まり、いままでと違うやり方=プランBを提案する「電通Bチーム」のリーダー倉成英俊さんに聞きました――。

※本稿は、電通Bチーム『ニューコンセプト大全 仕事のアイデアが生まれる50の思考法』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

カレンダー
写真=iStock.com/in-future
※写真はイメージです

電通の「面白い採用試験」

「1週間が8日に増えたら、その1日何をしますか? 800字以内で書きなさい」

この不思議な問題を見つけたのは、電通クリエーティブ塾の募集ページ。1998年、僕が大学院1年生の時です。

僕の答えはこうでした。「ご存じの通り、カレーは煮込めば煮込むほど美味しくなる。僕はカレーが好きなので、1日増えた分、当然余計に1日煮込みますけど」という内容を800字に膨らませ、原稿用紙に書き付けました。

その時、「あ、冷蔵庫にカレーのルーがあったな」と思い出し、刻んでティッシュで包んで、匂い付き作文として送付。結果、来たのは……合格通知でした。

彼女と喧嘩、絵だけで謝りなさい

入社後も、変な問題は山ほど続きました。「彼女と喧嘩しました。絵だけで謝れ」「目が覚めたら蛇になっていました。よかったこと3つ、悪かったこと3つ書きなさい」とか。頭が痛い、けど、面白い。

時は流れ、広告やクリエーティブの授業を頼まれるようになると、今度は僕が、授業で変な問題を出すようにしました。答えが1つでない面白い問いは、もっと小さい時からやればいいのに、と思っていたので。

好評をいただいた時、ふと思いました。僕もみんなも、なんでこういう問題が好きなんだろうと。