人生で初めてのことをさせる「プロジェクト初体験」

「プロジェクト初体験」は上海の復旦大学で行ったものです。

電通Bチーム『ニューコンセプト大全 仕事のアイデアが生まれる50の思考法』(KADOKAWA)
電通Bチーム『ニューコンセプト大全 仕事のアイデアが生まれる50の思考法』(KADOKAWA)

1週間以内に人生で初めてのことをして、微博(中国版Twitter)にアップしてください、というのが宿題。

彼女と服をまったく入れ替えて写真を撮ってきた男子、生まれて初めて男子トイレに入った女子、24時間しゃべらない日を過ごした生徒など、53人に初体験が生まれました。

ちなみに学んでほしかったテーマは「GAPの創造」。いい表現は人の日常に非日常を生む。まずは自分の日常で非日常を生み出す練習をしてもらったわけです。

「自己紹介してください。ただし10文字以内で」は、東京大学などの授業の冒頭で行った問題です。3分間いい感じの音楽を流し、曲が終わったら終了、発表してもらいます。この問題で、広告づくりのエッセンスを体験できます。

CMは予算とスケジュールの中で企業が伝えたいことを伝えたい人に伝えるもの。この問題では、3分で0円でクラスの人に10文字の言葉で伝える体験をしたわけです。同じですね。

その他、「校則の最後に1行付け足す権利をあげます。何を付け加えますか?」@有田工業高校、「食後感想文コンクール」@立命館大学ほか、「だれかひとりを喜ばせてきてください」@電通テック新入社員研修など、今まで25カ所以上で行ってきました。いつも予想を超える答えが量産される熱い授業になり、終わりに涙を流す回もあります。

厳しい時代を生き抜くためにこそ、「遊び心」を

答えのない時代に、未来を切り開く人材を育てるために、一方通行でなく、主体的に学ぶ「アクティブラーニング」が教育界はもちろんビジネス界でも注目を集めています。アクティブ=能動的になれるかどうか、それは「好奇心」に着火できるかどうかだと僕は考えます。

「Creativityとビジネスの成功のリンクが強まってきている」とはForbes JAPAN'S CEO OF THE YEAR 2016でのトム・ケリー氏の発言。Creativityの元も、好奇心や遊び心です。

もし好奇心ランキングなるものがあったら、今の日本は世界何位でしょう? 効率重視で余裕のない現代ですが、遊び心や好奇心を大切にした国や企業が成長しているように感じませんか?

変な宿題で、好奇心増幅の役に立てたら。やり方をお教えしますので、ぜひ変な問いをいっぱい一緒に立てましょう。

Point
遊び心や好奇心がこれからの成長のカギになる。それらを育むのは、正解が1つではない「変な宿題」である。
【関連記事】
会議で重箱の隅つつく「めんどくさい人」を一発で黙らせる天才的な質問
仕事が速い人は「自力でドーパミンを出す方法」を知っている
「自分の頭で考える新人」を育てられる上司が絶対やらない2つのこと
堀江貴文「アップルやマイクロソフトが今でも繰り返している"ある行為"」