取るに足らない、だけどクスッと笑える会話をしながら、2人が冷蔵庫に脱臭炭を設置します。カメラは2人が歌うCMソングとダンスを追いかけて、そのまま冷蔵庫の脱臭炭に迫っていきます。

♪冷蔵庫のにおいをとろう
♪炭の力でにおいをとろう
♪美味しい料理だ
♪おうちが楽しい
♪脱臭炭

正論をうのみにせず、問い直す大切さ

このテレビCMの撮影時、部屋を模したセット内には高橋さんと、田中さんの2人しかいません。小型ドローンを使っての無人撮影という初めての試みでした。途中、小型ドローンがセットにぶつかり落下するというアクシデントもありましたが、なんとか部屋を飛び回りながら撮影するという一発撮りを成功させたのです。撮影現場に入る人数を少なくし、さらには収録時間も短くすることで感染リスクを抑えるというアイデアが、新たなクリエイティブを生み出したのです。

鹿毛康司『「心」が分かるとモノが売れる』(日経BP社)
鹿毛康司『「心」が分かるとモノが売れる』(日経BP社)

このテレビCMは緊急事態宣言が解けた直後の2020年6月10日に撮影しています。広告制作のガイドラインに従って制作されていますが、広告クリエイティブでは、世の中で語られていた正論をそのままうのみにはしていません。有事のときだからこそ、「有事で変化した、お客様の心」に徹底的に寄り添う姿勢を目指しました。

世の中に「△△だから、◯◯すべき」という正論があふれ始めたときは注意が必要です。違和感を覚えても、正論を持ち出されると反論しづらい。多くの人が本音を押し殺し、本当は納得していないのに「しょうがないことだよね」と自分をなだめてしまいます。何の疑いもなく、素直に従ってしまう人も大勢います。でも、そこで語られている「正論」は本当に正しいことなのでしょうか。「それって本当?」と今一度問い直し、考えたうえで行動を起こすことが大切なのではないかと考えています。

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