「牛乳を毎日飲む」と「認知症の発症率が低下する」

そして多忙なビジネスマンにもうれしい話が。牛乳は、生活習慣病の予防にもなる。尿酸の排出を促し、尿酸値も下げる。その明らかな仕組みはまだわかっていないが、高尿酸血症などの生活習慣病予防になることが世界的に知られている。

「牛乳は体内への吸収が緩やかで、食後に血糖値を急激に上昇させない(低GI)食品です」と望月さん。

食事が炭水化物中心であったり、夜食が必要な人は一部分を牛乳に置き換えることで、必要な栄養素を補給しつつ、糖尿病をはじめとした生活習慣病になりにくい体になるだろう。

脳の健康を維持する役割もある。「牛乳を毎日飲む」と、「認知症の発症率が低下する」という国内の報告が多数あるのだ。

代表的なものは、福岡県久山町に住む認知症でない住民(60歳以上)を対象に、1988年から17年間追跡した久山町研究。牛乳・乳製品の摂取量で住民を4つのグループに分けて比較したところ、アルツハイマー型認知症の発症率は「牛乳や乳製品の摂取量が増加するほど低下する」という結果になった。

だが、これは「飲めば飲むほど認知症の予防効果が高まる」と示されたわけではない。冒頭に記したように多量に飲むのではなく、他の乳製品と組み合わせながらこまめに取ったほうが健康にプラスになるだろう。

市販されている「牛乳」は大きく6種類もある

さて一口に牛乳といっても、市販されているものは大きく6種類に分けられる。商品パッケージに記載される「種類別名称」で確認できることを知っておきたい。再び望月さんの話。

「種類別名称の項に『牛乳』と記載される商品は、生の乳(生乳)を加熱殺菌しただけのもので、成分無調整。一方で生乳から水分、乳脂肪分などを除去して成分濃度を調整したものが『成分調整牛乳』。成分調整牛乳のうち、乳脂肪分を除去したものはその除去割合により、『低脂肪牛乳』『無脂肪牛乳』と表示されます」

それ、本当に「牛乳」ですか?「種類別名称」を買う前にチェック!

加工乳と乳飲料を除いた、牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳は“生の乳100%”。その中でも、種類別名称に「牛乳」と表記されたものは、成分無調整タイプで、牛乳本来の甘みとコクが最も感じられるはず。