新型コロナウイルスの影響で消費が落ち込んでいるにもかかわらず、日経平均株価はバブル期以来の水準にまで上昇している。公認会計士の足立武志氏は「この波に乗って株式投資で成功するには、実体経済と株価の動きは異なるということを理解しなければならない」という——。
※本稿は、足立武志『お金偏差値30からの株式投資』(扶桑社新書)の一部を再編集したものです。
株価上昇に乗り遅れた人は、なぜ株を買えなかったのか
2020年3月、コロナウイルス感染症の拡大を嫌気して、世界的に株価が暴落しました。しかし、その後、日本株はかなり急速な反発上昇に転じました。この上昇に乗れた人と乗れなかった人がいるでしょう。両者の違いはどこにあるのでしょうか?
コロナショックで最安値をつけてから3カ月弱で日経平均株価は2万2000円台を突破し、3月の安値からは30%以上の反発となっています。
マザーズ指数も驚異的な上昇となり、2カ月余りでおよそ2倍にまで上昇、コロナショック前の水準どころか、2019年の高値さえ上回っています。
個別銘柄を見ても、コロナショック前の水準を軽々と超え、上場来高値を更新し続ける銘柄がいくつもあります。
しかし、この株価上昇にうまく乗ることができた人は、少ないのではないでしょうか。
個人投資家はどのような状況にあるのか
個人投資家の状況を大別すると大きく4つに分類できます。
(1)順調に上昇相場に乗れている
(2)安いところで買えたが、もう売ってしまった
(3)株を買うことができず上昇相場に乗れていない
(4)逆に空売りをしていて損失が膨らんでいる
(2)安いところで買えたが、もう売ってしまった
(3)株を買うことができず上昇相場に乗れていない
(4)逆に空売りをしていて損失が膨らんでいる
※空売り…株をまず売って値下がりした時、買い戻して利益を得る取引のことです。予想に反して株価が上昇した場合は逆に損失が発生します。証券会社に信用取引口座を開設すると、空売りの取引を行うことができます。
特に(1)と(3)の違いが重要です。なぜ株を買うことができなかったのか、その理由を突き止めなければ今後も同じことの繰り返しになってしまいます。