人生に大きな不満はないが、充足感がない。努力してもそれに見合った結果が得られない……。そんなモヤモヤを抱えている人は多いのではないでしょか。幸福学と起業家育成のプロがモヤモヤの正体に迫ります――。

※本稿は星 渉、前野隆司『99.9%は幸せの素人』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

夕日
写真=iStock.com/AntonioGuillem
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誰でも自分にメリットがある選択がしたい

早速ですが、あなたに質問です。よろしいでしょうか?

あなたの家の近所には、産地も生産者も同じキャベツを「100円で売るスーパー『A店』」と「150円で売るスーパー『B店』」が隣り合っています。さて、あなたはどちらの店でキャベツを買いますか?

『A店』で100円のキャベツを買う?
『B店』で150円のキャベツを買う?

この選択に迷う人は、まずいないでしょう。

同じものであるならば、誰もが少しでも安いキャベツを買いたい。『A店』で買ったほうが50円も得するわけですから。

つまり、『A店』で100円のキャベツを買うことが、自分にとってメリットがある選択になります。人は誰でも「自分にメリットがある」選択をしたいと思って行動しています。

状況が変わると答えも変わる

はい、ここまでは問題ありませんよね? でも、少しだけ質問の状況を変えると、あなたの答えも変わるはずです。

あなたの家の近所には、産地も生産者も同じキャベツを「100円で売るスーパー『A店』」と「150円で売るスーパー『B店』」が隣り合っています。

あなたの目の前では、あなた以外の人が全員『B店』に入っていき、次々とキャベツを買っています。ついに『B店』のキャベツはもう残り1個。一方、『A店』には誰も入っていかず、キャベツは大量に残っています。

……さて、あなたはどちらのお店でキャベツを買いますか?

『A店』の100円のキャベツ? それとも、『B店』の150円のキャベツ?