新型コロナ感染拡大による一斉休校をきっかけに、オンライン教育に関する議論が盛り上がった。学校再開後もオンラインを積極的に取り入れている学校がある一方で、従来通りの完全アナログ授業に戻った学校もある。国の「GIGAスクール構想」で、「児童生徒1人1台の端末」が2020年度内に実現することにはなったが、日本のオンライン教育は今後、どのように進められるのか。東京都内の公立小学校教員、庄子寛之さんに話を聞いた――。
オンラインの取り組み、学校によってバラつきが
春の一斉休校中に、オンライン授業を行うことができた学校は少なかったと思います。しかし私の場合は、学校や教育委員会の理解のおかげもあって、何とか5月にはZoomを活用した「朝の会」を始めることができました。
コロナ休校で、学校でのオンライン活用に関する議論が盛り上がり、GIGAスクール構想の「児童生徒1人1台の端末」の整備も、当初の2023年度目標から実施が前倒しになりました。今年度(2020年度)中には、全国の小中学校にタブレット端末が配布され、希望する学校には校内通信ネットワークが整備されることになりました。
ただ、「今はまだ休校中の授業の遅れを取り戻すことで手いっぱいで、とても新しいことに取り組む余裕がない」という学校も多いと思います。休校中に、オンライン活用が進んだ学校の中にも、学校再開後はその取り組みが止まってしまったように見えるところもあるでしょう。
環境整備の予算は付きましたが、実は、配布される端末を「どう使うか」は各自治体・学校に任されています。全国どの学校でも手探りで進めているので、取り組みにはバラつきが出ているのです。