ミクシィで働く姜 少眞(Kang Sojin)さんは、周囲に産休・育休をとる社員がほぼいなかった7年前に休みを取得し、職場復帰した。フルタイム復帰したいが、定時19時まで働くことは難しいと感じた姜さんが上司に交渉して手に入れた新たな働き方とは――?
経済危機で夢が揺らいだ学生時代、親の反対を押し切り日本へ
ソウルで生まれ育った姜さんが日本への留学を思い立ったのは大学時代だった。
韓国では伝統あるミッション系の名門校、梨花女子大学校へ進学。ものづくりに憧れて、建築学科で設計を専攻した。だが、入学した年の末、韓国は経済危機に陥って建築業界も低迷する。自分の夢も揺らぐなか、興味を惹かれたのがWebの世界。大学3年のとき、1年休学してWebの勉強をした姜さんは新たな挑戦を心に決めた。
「中学、高校の頃から日本に興味がありました。韓国でも日本のアニメやゲームが有名で、私も『ファイナルファンタジー』や『新世紀エヴァンゲリオン』などが好きだったんです。グラフィックの3Dを作りたいと考え、日本で学ぼうと思いました」
親の反対を押し切って、卒業後に日本へ留学。日本語学校へ通いながら、学費と生活のためにアルバイトを始めた。韓国系の広告代理店でデザインを手がけ、やがて正社員として企画提案に携わる。その後、韓国でコミュニティサイトの運営をする企業の日本支社へ移り、ディレクション業務も経験した。