“自分の脳を騙す呼吸法”であがり症を克服

【三宅】大舞台で日頃の練習成果が出ないという人は多いかと思いますが、どんなアドバイスをされますか?

三宅 義和『対談(4)! プロフェッショナルの英語術』(プレジデント社)
三宅 義和『対談(4)! プロフェッショナルの英語術』(プレジデント社)

【杉山】私も当初はあがり症で、ビッグスタジアムや大きなショーコートでたくさんの人に見られていると、肩に力が入って負けることがよくありました。これを何とかできないかということで行き着いたのが、先ほど少し言いましたけど、呼吸法でした。塩谷信男先生の正心調息法というものです。

呼吸法をすることで自分の脳をだますと言いますか、良いイメージを上塗りしていくことによって「実際に起きたこと」というふうに脳に勘違いをさせるんですね。調子が悪いときや緊張したときは頭と身体がバラバラになっているような感覚が抜け切れないんですけれども、それを呼吸法でリセットしていいイメージで上塗りしていったら、本当に心身がいい方向に引っ張られたのです。

【三宅】具体的にはどのようなイメージですか?

【杉山】たとえば試合前日には対戦相手が決まっていますので、頭のなかでその選手と試合をしている場面をできるだけリアルに想像して、そのなかで自分の躍動感ある動きであったり、自分の得意なパターンに持ち込んでポイントを取って「よし」とガッツポーズをするまでの流れをイメージしたりとか、そういうことはしていましたね。

【三宅】かなり具体的ですね。

【杉山】なんとなく情景をイメージするだけでは、自分の記憶に眠っている「いい感覚」を引き出すことは難しいので、具体的であることは大事かなと思います。おすすめですよ。

イーオン社長の三宅義和氏(左)と元プロテニスプレイヤーの杉山愛氏(右)
撮影=原貴彦
イーオン社長の三宅義和氏(左)と元プロテニスプレイヤーの杉山愛氏(右)。衣装提供:Doubleface Tokyo,ABISTE
(構成=郷 和貴)
【関連記事】
バカほど「それ、意味ありますか」と問う
杉山愛が「引退後10年間はプライベートを重視する」と決断した理由
"70歳・最年長英会話講師"が教える、「中級のスランプ」を突破する英語勉強法
10年前にコロナ流行を予言した小説家が「1日も早く英語を学べ」と訴えるワケ
10年前のドラ1「斎藤佑樹」はなぜマスコミのネタになり続けているのか