占いブームが再燃しつつある。フジテレビは4月から『突然ですが占ってもいいですか?』(水曜午後10時)をスタート。9月に発売された番組公式本は15万部のベストセラーだ。スピリチュアルビジネスに詳しい有元裕美子氏は「だれもがスマホを持つようになり、ブログやYouTubeといったネットの無料コンテンツから、占い・スピリチュアル界のスターが生まれるようになった」と指摘する——。
占い師の手
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SNSによるビジネスモデルの転換

華やかに着飾った女性たちが、高級ホテルのイベント会場に集まっている。ただのパーティではない。ある人気ブロガーが主催した「引き寄せ」系のイベントだ。「自分を大切にする、我慢しない、なりたい自分になる」ことで、運が変わって幸せになっていくという理論を実践する人々の集まりだ。

そのような考えを持つと、自然と自分を派手に着飾るようになるになっていく。このようなイベントはSNSで拡散され、その結果「キラキラ女子」の輪が広がっていく。

どこかの会社の宣伝ではなく、友人の実体験に基づく感動や喜びは、響きやすい。占い・スピリチュアル領域に限らず、SNSなら、書籍やTVなどのように、一回きり、情報を受け取るだけではなく、日々、繰り返し、双方向で、体験した中での本音を伝え合える。

占いやスピリチュアルの理論だけでなく、ハレの日を提供して、友人同士のつながりで継続的に世界観や商品を拡散してもらうやり方は、ネットにおける個人の情報発信が盛んとなった現在でこそ成り立つ、新しいマーケティング手法だ。

このように、占い・スピリチュアル業界では、ネットによるビジネスモデルの転換が進んでいる。