大ヒットドラマ『半沢直樹』で大きな存在感を見せている香川照之演じる大和田暁常務。前シリーズでは屈辱の土下座となり、今シリーズでも半沢を陥れようと激しく吠える。この人を語らずに、ドラマを語ることができようか。今回は彼の精神分析を試みる。
権威の乱用
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毎回この男から目が離せない!

池井戸潤の小説が原作の連続ドラマ『半沢直樹』(TBS系、日曜午後9時)。2013年に放送された前シリーズの最終回視聴率は42.2%をたたき出すお化けドラマに成長。

20年7月には、7年ぶりとなる続編シリーズがスタート。当初から高視聴率をたたき出し、回を重ねても20%超の大台をキープしている。

主人公の半沢直樹(堺雅人)は、東京中央銀行のバンカーとして、行内の不正を暴きながら「倍返しだ!」と巨悪に立ち向かう。そんな半沢の宿敵として大きな存在感を見せているのが、常務の大和田暁(香川照之)。

若き時代からエリート街道を突き進んできた大和田。前シリーズでは半沢に敗れ、土下座をしたシーンが有名だが、それ以外でも数々の名言を残している。彼の表情に加えて、そのセリフにも視聴者をゾクゾクと引き付けるものがある。

大和田は派閥意識が強く、駆け引きに優れた策略家。その能力を駆使して、東京中央銀行の常務にまで上り詰めてきた。不要なものは切り捨てる、プライドなき冷徹な男。その男の裏側に隠された本性とは。彼の名セリフをもとに彼の深層心理に迫りたい。