在宅勤務にまつわるトラブルも増加
今回のコロナ禍を経験し、ポストコロナにおいても安全配慮はある程度継続していく必要があると思われます。
なかでも在宅勤務にまつわるトラブル事例が増加傾向にあります。
例えば、エコノミー症候群を防止するための作業環境の指導やパソコンを使用する場合の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」の徹底、長時間労働の抑制などが考えられます。
つまり、「自宅だから自己責任だろう」では安全配慮義務を果たせない可能性があるということです。
テレワークを継続するのであれば、安全配慮を考慮したルール作りを見直す必要があります。
出張命令をする際も、エリアや移動手段について安全配慮が必要です。
例えば、疫病が流行しているような地域への出張命令は、その必要性や感染防止対策の度合いによっては安全配慮義務違反に問われ、民事損害賠償の対象となるかもしれません。
その他、特に業務上の高度な理由もなく精神論で「絶対にテレワークは認めない」なんていうケースも同様でしょう。
ハラスメントも内容が変わり始めてきました。
オンラインによる打ち合わせで「部屋の中をくまなく映せ」と言ったり、多数のメンバーが参加しているオンライン会議で、特定の者に必要以上に叱責をしたり、「お前だけはテレワークさせない」と言ったりするパワハラもあります。
同じくオンラインで、女性社員に対しては「部屋に男がいるだろう」「一番イケてる服に着替えてこい」といったセクハラ行為も発生しています。
また、コミュニケーションツールを導入したものの、社内の誹謗中傷の温床となってしまう、上司が時間や曜日問わず気軽に指示を出すツールとなっていることもあります。
このようなトラブルが原因となり過重労働や精神障害など業務災害にまで至ってしまうこともあり得ます。
だからこそ、社内ルールを作成し研修などで周知させていくことが必要なのです。