『クオリアと人工意識』を読んで
茂木健一郎さんの新著『クオリアと人工意識』(講談社現代新書)を読んで、あらためて茂木さんの思考の広さに感銘を受けた。話は、タケシとサユリの会話から始まる。学校で行う人工知能の演劇、初めてコンピューターを発明した同性愛者、人類初のプログラマーとなった女性。読者はプロローグを読む過程でサユリがタケシの母親だと読み解き、性自認の曖昧さや、鏡に映る自己を自己と認識することの不確かさを考えさせられる。
人間が、自分はなぜ存在しているのだろうとか、自分の意識はどうやって生じたのだろうとか考えること自体、面白い。本書は読者の好奇心を惹きつけながら、人工知能と人間の意識について語ることで、人間の本質に迫っていく。
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