金の価格はじわじわと上昇している

「倍返ししてやりましたよ!」

そう得意げに叫ぶ専業主婦のA子さんは、2020年3月、ニューヨーク証券取引所でサーキットブレーカーが発動したのを受け、一般企業の株式で資産を持つことに不安を感じた。そこで友人のすすめで一部の資産を金の投資信託に移すことにし、当時1株5000円ほどだった純金ETF(上場投資信託)を20株(10万円)購入した。

ゴールドのバー
写真=iStock.com/JONGHO SHIN
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その後20年4月に入り、株価が上昇しているのを見て55株ほど買い増しした。20年7月上旬現在も保有し続けているが、今の儲けは5万円以上。今後、さらなる買い増しを検討している。

「20年4月の段階では儲けがおよそ5000円程度だったのが、20年7月時点では5万円以上に。10倍返しですよ!」(A子さん)

実は、4年ほど前から金の価格はじわじわと上昇している。2016年に1グラム=4000円台だった金が、20年6月26日には1グラム=6715円にまで上がり、40年ぶりに歴代最高値を更新した。

今にわかに注目が集まっている金だが、そもそも金投資にはどのような特徴があるのか。

FXや株と比べて金はあまりメジャーな投資ではない。というのも、金はあくまで「守りの資産」であり、儲けを出す目的で購入するものではないからだ。