「超効率経営」のキーエンス…自己資本比率は鬼の95.8%
中国に限らず、グローバルレベルで人件費や人手不足は中長期的に続く構造的な問題であり、製造業は継続的な生産性向上が求められるでしょう。FA関連企業のなかでも特に、超効率経営を行っている企業がキーエンスです。キーエンスも20年3月期の決算では営業利益が減益で21年3月期を非開示としていますが、株価は上場来高値を更新し6月4日に4万6740円を付けています。工場を持たないファブレス経営で知られる同社の営業利益率は驚異の50%、自己資本比率は95.8%である超優良企業は先行き不透明な相場で、異彩の強さを発揮しています。
そのほか有利子負債「ゼロ」ではないものの、ランキング7位であるSMCもFA関連企業で、こちらも自己資本比率89.9%と健全性の高い企業です。同社は4月以降の受注動向は半導体向けを含む電気が回復の兆しで、中国で好調が続いています。このことからも、日本企業のFA関連企業は金持ち企業が多いことが分かります。
巣ごもり需要にとどまらない任天堂は有望株
ランキング2位の任天堂は、無借金経営でありながら、お金持ち企業で、自己資本比率も約80%というモンスター級の企業です。20年3月期はゲーム機「Nintendo Switch」シリーズの販売台数が大幅に伸びたことに加え、人気タイトルが好調な売り上げを記録しています。特に、3月に発売された人気シリーズ「どうぶつの森」の最新作『あつまれ どうぶつの森』(あつ森)が、発売から10日間で約260万8000本を売る大ヒットとなったことも、ハード需要の押し上げにもなりました。その結果、営業利益は3523億円となり、キャッシュも大きく積み上がりました。
ランキング19位の自転車機構部品トップのシマノが年初来高値に買い進まれています。世界中で交通のソーシャルディスタンスが進んでおり、自転車通勤やサイクリングが人気化しています。新しい日常のひとつとして期待されているのでしょう。シマノは世界中のさまざまな自転車に高品質・高性能なパーツを供給しており、競技用自転車では世界トップシェアを誇っています。自己資本比率は90.8%、ネットキャッシュは2600億円に対して、有利子負債は45億円です。