絶対安心な企業に共通すること
財務の健全性を判断する「自己資本比率」だけでなく「有利子負債」にも注目し、ネットキャッシュの多い企業からランキングにしました。スクリーニング要件はフィスコアプリのスクリーニングデータを利用しています(7月3日時点)。
・東証一部
・自己資本比率
・ネットキャッシュ…企業の手元流動性(現金・預金+有価証券)から有利子負債を差し引いた金額でありキャッシュリッチ(金余り)の度合いを示す
・有利子負債
*フィスコアプリのデータに基づく(7月3日時点)
キャッシュリッチ企業のランキング上位にランクインしている、任天堂、ファナック、アステラス製薬、東京エレクトロン、キーエンス……これらの名だたる企業は「お金持ち」でもありながら「無借金経営」の企業でもあるのです。無借金経営とは、銀行借入金や社債などの利息を伴う借金「有利子負債」がゼロの状態のことです。会社のバランスシート(B/S)の負債には、有利子負債以外の負債もあり、例えば、支払手形や買掛金などの仕入債務、税金や従業員の給与の未払金、賞与引当金などの引当金も負債に含まれ、これらを除きます。「無借金」と言う場合はあくまで「有利子負債」がゼロの状態のことを指します。
ファナック、キーエンスのFA関連は底打ちか
ファナック、キーエンスは、FA(工場自動化)関連の代表的な企業です。FA関連は中国関連の代表銘柄として、米中貿易摩擦の影響を色濃く受け、下落してきたセクターです。しかし、いよいよ、FA関連も底打ちから回復傾向の可能性があり、直近、株価も堅調に推移してます。ファナックは直近の決算では、製造業不振のあおりから顧客の設備投資需要が減少し、スマートフォンの加工に使う、ロボドリルや工場向けロボットなどに打撃を受け、4~9月期は6割の営業減益計画となり、通期の見通しは未定としています。しかし、中国の生産の回復からFA関連は今の時点が底ではないかとの見方が強く、ファナックの株価は回復傾向にあります。
中国の6月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.9と、景気判断の節目である50を上回っていることから、中国景気のⅤ字型回復への期待が高まり、7月6日には上海総合指数が18年3月以来、2年4カ月ぶりの水準に値を上げています。これを受けて、日本の中国関連株の代表株であるFA関連企業も連動高となっています。