「日本も油断すれば、韓国と同じ状況に陥りかねない」

読売新聞の社説(同日付)は今回の39県の解除を評価し、「長期にわたる外出自粛や休業の要請に、多くの人が協力してきた。一方で、経済は深刻な影響を受けている。感染状況が落ち着いた地域から、人の移動や社会経済活動を認める措置は妥当である」と書く。

さらに韓国の感染の再拡大を取り上げた後、「日本も油断すれば、同じ状況に陥りかねない。政府は39県でも監視を欠かさず、感染拡大の兆候が表れた場合には、速やかに再指定する必要がある」と強調する。

油断せずに社会経済活動を少しずつ再開させるべきだという主張である。当然の主張だが、独自性に欠ける。

最後に読売社説は医療体制の問題を取り上げ、「退院者は増えつつあるが、医療現場が多忙を極める状況に変わりはない。政府は、再度の流行に備えて、自治体と協力して病床や資機材の確保を進め、医療体制を整えていくことが求められる」と主張しているが、これも訴えとしては平凡だ。

「医療崩壊をどう防ぐのか」という観点が必要だ

朝日新聞の社説(同日付)は医療体制の問題をこう指摘している。

「地域によっては、感染者が少し増えるだけで医療態勢が一気に逼迫する状況が起こりうる。入院・療養先の確保や医療物資の調達といった準備に、引き続き取り組む必要がある」

対応できる医療機関の数や病床数など医療の体制はおなじ日本国内でも地域ごとに異なる。その点に注意しながら医療の崩壊を招かない体制を作ることが肝要である。

毎日新聞の社説(同日付)は「今後、残る8都道府県について判断する上では、医療現場の状況をリアルタイムで把握することが欠かせない」と医療の提供体制に言及する。8都道府県には東京都や大阪府など大都市と周辺の都市が含まれる。そうした都市の病院が医療崩壊を起こすと、日本の医療体制に響くからだ。

各紙の社説は医療問題に触れているものの、前述したような「サイレント肺炎」の危険性は指摘していない。残念である。今後に期待したい。

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