<strong>本木雅弘</strong>●1965年生まれ。俳優。代表作に「シコふんじゃった。」「双生児」「徳川慶喜」などがある。2009年、自らが制作にかかわり主演した「おくりびと」が米国アカデミー賞外国語映画賞を受賞した。
本木雅弘
1965年生まれ。俳優。代表作に「シコふんじゃった。」「双生児」「徳川慶喜」などがある。2009年、自らが制作にかかわり主演した「おくりびと」が米国アカデミー賞外国語映画賞を受賞した。

ドラマ『坂の上の雲』では、真之は日清戦争時に巡洋艦筑紫に乗り、そこで戦争の恐ろしさ、むなしさ、指揮官の難しさ、兵士一人ひとりの命や国の命運を預かることの重さを初めて体験して苦しみます。そこで率直に、上司である東郷にその思いをぶつけるシーンがあります。

真之は不躾に「よき指揮官とは何でしょうか。アシにはそれがようわからんのです。東郷さんは自分の出した命令を後悔したことはありませんか」と問います。東郷は「自分の命令で1100人という相手国の命を奪った。自分も人殺しをしたのだ」と言い、続けて「指揮官は、決断して命令を下すのが仕事で、いったん刀を抜く覚悟をしたら、あとは戦うだけだ」と話します。