コロナショックですでに3000人が解雇・雇止め

世界的な新型コロナウイルス流行の収束の目処が立たないなか、かねてささやかれていた「リーマン・ショック級の不況の到来」が現実味を帯びてきた。4月23日、政府は月例経済報告書のなかで「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」という判断を示したのだ。政府の景気判断に「悪化」という言葉が使われたのは、リーマン・ショックの影響が残る2009年5月以来、10年11カ月ぶりのことだ。また報告書では、先行きについても「感染症の影響による極めて厳しい状況が続くと見込まれる」としている。

オフィスから離れて歩いて必死と火力の実業家
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2008年のリーマン・ショックでは解雇や派遣切りが社会問題と化したが、このコロナ禍でもすでに「コロナ解雇」が表面化しはじめている。厚生労働省によると、2月からの約2カ月で企業の業績悪化や経営破綻で全国で少なくとも3000人が解雇や雇い止めにあっているといい、今後、リーマン・ショックレベルの雇用不安が生まれるのではないかと懸念されている。