厚労省が突如公表した新たな指針に、国民は憤った

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の期限が延長され、国民の苦闘は「第2クール」に入った。いまだ多くの経済活動は制限され、外出自粛は継続、子供たちの「学びの場」も閉じたままだ。この間に国民生活は疲弊し、お粗末すぎる国の対応によって医療現場は振り回され、その後始末に首長たちが頭を抱える「負の連鎖」が続く。今月半ばには一部の自治体で宣言が解除される見通しとなったが、二転三転する安倍晋三政権の対応による混乱は続いている。

写真=iStock.com/SakuraIkkyo
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あれは一体なんだったのか――。5月8日夜、厚生労働省が突如公表した新たな指針に、国民の多くは憤ったに違いない。同省は2月に受診の目安として「37.5度以上の発熱が4日以上続く場合」と示していたが、この表記をいきなり削除したのだ。高熱や強いだるさ、息苦しさなどの症状があれば相談すべきとの表現は維持したものの、誰もが記憶した「体温」については外した。この目安により「自分は37度程度だから大丈夫」と相談や受診を控えてしまった人々は少なくないだろう。