4月24日(金)に東京でリアル面接をするIT企業の「言い訳」
実際に「4月24日(金)、東京開催」でリクナビを検索すると、リアル面接の開催企業が相当数出ている。
たとえば、あるIT企業の開催案内にはコロナに触れて、下記のように述べている。
<コロナ感染拡大している状況の為、就職活動されている皆様におきまして、大変な不安を抱えられているのではないでしょうか。『今就活しないといけない』ということはありません。当社会社説明会は7月頃まで開催する予定です。安心して外出できるようになったら是非ご来社ください!>
さもコロナの感染を気遣っているふうに見える。しかし、その後にこう続く。
<一方、将来を決める大事な時期でもあります。就活が進まないと不安と感じられる方へは、会社説明会を実施しております。しっかり業界、会社のことを知りたいという方もいらっしゃることからWebや動画ではなく、コミュニケーションの取れる対面式で開催します>
就活に不安を感じない学生はいないだろう。そんな学生の心理を踏まえ、対面式をアピールしていると受け取られてもしかたない。
感染者発生でも「発生原因や責任は当社にはない」と言わんばかり
また別のIT企業はこううたっている。
<弊社は少人数制の会社説明会を開催しております。新型コロナウイルスの影響を鑑みまして、弊社オフィス入室の際に検温のご協力をお願いしております。また、アルコール消毒液もご用意しておりますので、是非ご利用ください>
つまり、会社内では感染しないように留意しているので安心してくださいというアピールだ。
別の企業も<新型コロナウイルス感染拡大のため、緊急事態宣言も発令されたので弊社でできる十分な対策を実施し、説明会を開催します。少人数(最大2名)での開催を行います。ソーシャルディスタンスの確保も徹底しております>と、言っている。
これらの物言いは明らかにおかしなところがある。
一見、学生の安全を気遣っているように見えるが、実は自社内でのコロナ感染防止策にすぎない。うがった見方をすれば、たとえ、感染者が発生しても「安全対策を施しており、発生原因や責任は当社にはない」と言っているようにも感じられる。
最大の問題は、学生が自宅から電車などを使って来社するまでの感染リスクに対する配慮がまったく欠落していることだ。学生の中には先に感染した学生のように遠方から交通機関を乗り継いで東京まで来る人もいるだろう。しかもせっかく上京するのだから、1社の説明会や面接だけでなく、複数の会社に接触したいという学生も多いに違いない。
政府が要請している「接触8割減」どころか、いつもの2~3倍の人と接触する可能性さえある。そのことに思いをいたさないで「弊社は安全なので対面で」というのは無責任とのそしりを免れないだろう。