新型コロナ禍で、対面の説明会・面接を実施する企業が「4割」

ところが、日本中が新型コロナの厳戒態勢下にあるにもかかわらず、今でも対面での会社説明会や面接を実施している企業があることがわかった。

採用アナリストの谷出正直氏が4月14日、翌15日に東京で開催される会社説明会を就職ポータルサイト「リクナビ」で調べたところ152社あった。

各社の内容をチェックすると、ウェブ上での説明会・面接を行う企業が91社と6割を占めた。だが、残り4割の61社が自社ないし貸し会議室を使った直接対面での開催だったという。

面接を待っている学生たち
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「新型コロナウイルスの感染拡大で多くの企業が出社を制限している中で、学生に来社を求めている会社が多いことに驚きました。多くの学生が訪れる大企業は感染リスクがあるのでオンライン説明会に切り替える中で、中小企業は10人以下の説明会などを3月には結構やっていました。しかし、その後に東京都の自粛要請や緊急事態宣言が出ても相変わらず、学生を呼んで対面での説明会を続けているのです」(谷出氏)

直接対面のリアル説明会を開催した企業は中小企業が多く、業種もIT、不動産、人材サービス、製造、介護、流通・小売りなど多岐にわたっている。

なぜウェブサービスを扱うIT企業が対面の説明会・面接をするのか

驚いたことに最も多かったのがIT業界だった。ウェブ上での説明会や面接などお手のものはずもだが、どうなっているのか。

「IT業界といってもウェブサービスを扱っている会社というより、大手システム開発企業の受託開発企業が多い。それでもウェブシステムの導入にそれほどお金がかかるわけでもありません。スカイプやZoomは無料ですし、学生の安全を考えればオンラインシステムを導入すべきです」(谷出氏)