学生の感染を省みず来社させる企業は「ブラック企業」以上のワル
4月16日には政府は緊急事態宣言を全都道府県に拡大している。世の中は都道府県の越境すらままならない状態にある。就活生にとっては情報が乏しい中で、不安を抱えたまま、一生を左右する就職先を探すのに必死になるのは当然だろう。
しかし、就活生のそんな弱みにつけこみ、自社の都合だけで学生の感染を省みず来社させる企業は、ある意味でブラック企業以上の存在といえるのではないだろうか。
ブラック企業は過重労働させたうえで使い捨てする企業のことだが、新型コロナウイルス感染は生死にかかわる。
就職情報サイト側もウェブ上での説明会や面接の以外のリアル面接開催の掲示を封鎖すべきではないだろうか。
リクナビ「われわれは企業の採用活動に介入する立場にない」
筆者の取材にリクナビを運営するリクルートキャリア広報部は次のようなコメントをした。
「われわれとしては企業の採用活動に介入する立場にない。しかし一方で、クライアント企業に対してウェブ化の提案もしています。就活する学生に対してもオンライン説明会を開催している企業を積極的に紹介するようにしています。また、対面での説明会を実施している企業は面接の人数を減らすなど新型コロナウイルス感染防止にも動いています」
同社がウェブでのセミナー・説明会をしない中小企業にアンケート調査したところ、対面式となった理由として「ウェブセミナーに関するノウハウがない」「IT機器などの設備が不十分で、それに対応する人材がおらず、通信機能に不具合が生じても対応が難しい」といった回答があったという。
コロナの脅威が迫っていてもクライアント企業に対しては強くものを言えないということなのか。しかし、今は多くの企業がコロナの封じ込めに最大限の努力を傾けている時期だ。ウェブ面談が難しければ自粛に合わせて延期すべきだろう。