例えば、自分は若いのに年配の経営者や、高額所得者の頭の中がわかる人がいれば、それだけでも大変なポテンシャルと言えます。その人たちが求めているものを提供すれば、ビジネスでいくらでも成功することができるでしょう。

さらに俯瞰する力は広い視野、長期的な視点で正しく決断をするうえで欠かせません。特に経営者は俯瞰してみる力がなければ組織の舵取りを間違えます。

ただ、ここでも心に余裕が必要で、よくビジネスマンが「視点を上げよ」とか「経営者的な視点を持て」とか言われていますが、目の前のことだけで言えば正しくても、長期で見ると間違っているということが往々にしてあるからです。経営者であっても現場の実務をやりすぎていると、目の前の仕事に忙殺されて俯瞰してみる余裕がなく、長期的に間違える人が多いです。

「主観、客観、俯瞰」の3つの視点を駆使できる人は麻雀もビジネスも最強かもしれません。それを学ぶうえでも、対人ゲームであり、運にも左右され、スタート地点も不公平な麻雀というゲームは最適の教科書となるのではないでしょうか。例えば将棋や囲碁といったゲームは平等な状態から戦いが始まりますが、現実社会は全くそうではありません。不平等で理不尽です。そのうえ運に左右されます。そんな前提から自らの頭脳を駆使して、いかに早く、高く上がるか、その勝敗を競う麻雀というゲームには、この世界を生き抜くための戦略が学べるエッセンスがふんだんに詰まっているのです。

「主観・客観・俯瞰」ビジネスでも麻雀でも、この3つの視点を兼ね備える者が最後に勝つ

麻雀のイメージを刷新Mリーグの立ち上げ

2018年に私が中心となり、麻雀のプロリーグであるMリーグを立ち上げました。プロ野球やJリーグと同様に、企業がチームを持ち、選手とプロ契約を結んでいます。現在全8チームが優勝賞金5000万円と威信をかけて戦っています。

今期は2シーズン目ですが、ファンの間では大変な盛り上がりを見せています。ABEMA(旧AbemaTV)で全試合無料放送していますので、見たことがない方はぜひ1度ご覧ください。ハマりますよ(笑)。

Mリーグはこれまでの麻雀の、ギャンブル、徹夜、タバコなどのマイナスイメージを刷新させて、世界的に盛り上がり始めたeスポーツのような世界観を目指して発足しました。

そもそも国内での“麻雀”の認知度はかなり高く、街を歩けば雀荘がたくさんあり、プレイ人口も相当数に上ります。ところがイメージが悪いために、スポンサーがつかない。それによって国内に数千人いると言われる麻雀プロの中で、本当に麻雀だけで生活できる人はごくわずかでした。それを変えるために、脱ギャンブルを宣言し、頭脳スポーツとしての確立を掲げました。