歌舞伎町は、まさに「眠らない街」だった

2000年代初頭の歌舞伎町は24時間いつでも楽しいことがある、まさに「眠らない街」でした。

歌舞伎町
PIXTA=写真(旧コマ劇場の映る写真は生駒氏提供)

当時は店舗型風俗店、いわゆる箱ヘルが街の主流で、ジャングルのように店内が蔦で覆われた店や、飛行機をかたどったコスプレの店など、今では考えられない店が繁盛していました。こうした乱痴気騒ぎ的なノリが受け入れられるということは、遊びに来る人たちに余裕があり、街もそれを受け入れられたということ。人にも街にも元気があった証しです。

ですが、03年から始まった石原慎太郎都知事(当時)による歌舞伎町の浄化作戦によって、客引きによる店への呼び込みが一切禁止となり、無許可営業をしていた風俗店も姿を消しました。街は変化を余儀なくされ、風俗店は電話で女性をホテルへ呼ぶ、いわゆるデリヘルが主流になりました。

そして10年代に突入すると、歌舞伎町という街は不景気を映し始めました。「ロボットレストラン」のような外国人観光客向けのショーパブが流行し、店舗型風俗店などは今では数えるほどしかありません。