インドは都市ごとに経済圏がある

これまでの国や地域の捉え方も変えることが求められる。インドは、依然として人口のうち65%が農村に集中している。そのため1人当たりGDPなどの統計は農村の実態にどうしても引っ張られてしまう。

繁田奈歩『ネクストシリコンバレー』(日経BP)
繁田奈歩『ネクストシリコンバレー』(日経BP)

2019年現在のインドの1人当たりGDPは約2000ドルと他の新興国より低い。車などの耐久消費財の需要が急速に伸びる水準とされている3000ドルからは程遠いのだ。

だが、デリーに限っていえば1人当たりGDPは既に5000ドルを超えている。さらに、これまで見てきたようにハイデラバードのような巨大なハイテク都市が次々生まれ、2030年に1人当たりGDPが3000ドルを超えると推定される州の人口を合計すると5億人を超える。

インドは国全体を漠然と捉えるのではなく、都市ごとに経済圏があると考え、そことどう連携していくかを考えないと、実態を見誤る。つまり、それを意識することが成功へのカギとなる。

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