女性が働くことへの風当たりが強かった
「のどかだけれど、保守的な田舎町で生まれ育ったために、女性が仕事をすることに風当たりが強く、大学への進学も反対されるような周りの風潮に生きづらさを感じていました」という鎌倉さん。
国家公務員として中央官庁に入省したときも、その後大手企業のITシステム部門に転職したときも、男性も女性も関係なく、思いきりできる仕事だからと選んだ。胸の中には、「できることなら、社会に役立つサービスを自分で手がけてみたい」という思いを灯していた。
医療分野に携わるようになったきっかけは、MBAを取得するために米国の大学に社費留学したときだ。医療機器ベンチャーでインターンを経験したことから、薬や医療機器の研究開発に興味を覚え、帰国後は医療分野向けのサービスを提供する部署で働きたいと、異動願いを出した。
そんなある日、担当先の病院で目の当たりにした、治験現場の現状――。それが、その後の鎌倉さんの人生を決めることになる。