交渉のガイドブックに従って仕上げの1歩手前まできた。あらゆることをきちんとやったのに、まだ合意は得られない。そんなとき、「交渉の仕上げ」としてやるべきことはなにか。

相手のあいまいな返事を明確な「イエス」に変えるためにはどうすればよいか。もっと譲歩するというのは正解ではない。相手があなたの案を受け入れるか、それともさらに交渉を続けるかの選択に直面している場合、ひとつ譲歩するたびに、もっと引き延ばしたほうが得策だと相手にむざむざ教えることになる。自分の限界点に至る前のどこかの時点で、相手に今の案を受け入れるか、交渉決裂かを選択させなくてはいけない。

この場合、あなたの目的は、受け入れか決裂かの最後通告をすることではなく、望ましい結末を生み出すように交渉全体を調整することでなくてはならない。理想を言えば、あなたのあらゆる発言や行動が、相手の求めているものに対するあなた自身の理解を深めるものであるべきだ。と同時に、あなたの提示している価値に対しての相手の評価を高めるものであるべきなのだ。

次に挙げる5つの経験則を、辛抱強さと現実主義の適切なバランスを保つこと、そして契約をまとめることに役立ててほしい。