昨年10月、マンガのキャラクターを起用した日本赤十字社のポスターに対し、「過度に性的だ」などの批判が寄せられた。文筆家の御田寺圭氏は「自分にとって許しがたいものも擁護するのがリベラリズムだったはずだ。これではリベラリズムが政治的に活力を取り戻すことは難しい」と指摘する――。
「過度に性的」と批判された献血ポスター
昨年10月、日本赤十字社が人気マンガ『宇崎ちゃんは遊びたい!』のキャラクターを用いたキャンペーンを行った。そのキャンペーンで作成されたポスターについて、一部の人びとから「過度に性的だ」などと批判を受ける騒動となった。
同作品のキャンペーンは本年2月に第2弾が開始され、報道によれば、日本赤十字社は批判を受けてガイドラインを新たに策定したという。
去年、日本赤十字社が胸の大きな女性の漫画キャラクターのポスターなどを作成して献血を募ったことに対し「過度に性的だ」といった批判が寄せられたことを受け、日本赤十字社は広告のガイドラインを策定したうえで、同じキャラクターを用いた新たなデザインの謝礼品を作り、今月から第2弾のキャンペーンを始めました。専門家は「広告が炎上すると、ただ謝罪して取り下げるケースが多かった中で、今回、批判を受け違う形を提示してきたことは問題解決の糸口となるのでは」と話しています。
(NHK NEWS WEB「日赤「宇崎ちゃん」献血キャンペーン 謝礼品変更し第2弾開始」(2020年2月6日)より引用)
第一弾を「性的だ」「セクハラだ」などときびしく批判していた人びとが、第二弾については「ガイドラインを遵守していて、内容がよくなった」と評価する向きも少なからずあったようだ。しかしながら、原作者のツイートによれば、ガイドラインの策定を受けて内容にレビューが入ったようなことはなく「批判を受けたので原作者が反省して表現を変更した」という筋書きではないようだ。