「住宅ローンの返済額は世帯収入の25%が上限」。このセオリーを無視して 1億円以上のマイホームを購入する人たちがいる。不動産コンサルタントの長谷川高氏は「背景にあるのは低金利。過大なローンを組んだ後、教育費などの支出がかさみ、ローンの支払いに窮するケースが増えている」という――。

※本稿は、長谷川高『不動産2.0』(イースト・プレス)の一部を再編集したものです。

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1億円超のマンションは「特殊住戸」と呼ばれていたが……

2007年から2008年にかけて起きたリーマンショックの際、不動産価格は大きく下落しました。しかしその後、不動産価格は東京中心部を筆頭に、再び急激に上昇しました。

東京中心部や湾岸エリアのタワーマンションでは、高層階を中心に1億円を超える高額物件が続々と販売され、しかもそれが飛ぶように売れました。

私がデベロッパーに勤務していた当時、1億円を超える高価格帯のマンションは「特殊住戸」と呼ばれていました。限られた方だけが買うことのできる、まさに「特殊な物件」だったのです。

しかし、現在では1億円を超える「億ション」が次々に売れている。一体、どんな人が買っているのか、疑問に感じていました。そこであるとき、「億ション」を分譲しているデベロッパーの役員に直接話を聞いてみました。すると、意外な答えが返ってきました。