右往左往する菅氏は、なにを隠したいのか

なぜ菅氏の説明はころころと変わったのか。9日の閣議後の記者会見でも菅氏は保存期間など名簿の取り扱いを記す行政文書の管理簿に記載していなかったことを認めたものの、法律違反については言及しなかった。

翌10日の記者会見では「公文書管理法関連規定の内閣府の文書管理規則に違反する対応だったと考えている」とはっきりと認め、その代わりに「事務的な記載漏れだった」と説明して逃げた。

これほど右往左往する菅氏の対応を見ていると、何かが隠されているのではないかと疑ってしまう。

説明を聞くほど分からなくなる「破綻した説明」

毎日新聞の1月15日付の社説は「『桜を見る会』の名簿 政府説明は破綻している」との見出しを掲げ、こう書き出す。

「安倍晋三首相主催の『桜を見る会』を巡って新たな問題点が次々に浮上している。政府が釈明するほど矛盾が広がる状態が依然として続いており、もはやその説明は破綻を来していると言っていい」

「広がる矛盾」に「破綻した説明」。沙鴎一歩も同感である。問題の招待者名簿はまだ存在しているのか。存在しないのか。菅氏や安倍首相の説明を聞くほど分からなくなり、腹立たしくなる。

毎日社説は公文書管理法違反の問題について「内閣府は、安倍首相の再登板後、2017年度までの5年間、招待者名簿は文書の管理簿に記載せず、廃棄した記録も残してこなかったという。これは政府が自ら定めた公文書管理のルールに明らかに反する」と説明した後、こう主張する。

「『5年も続けて、そんな単純なミスをするだろうか』との疑問が上がると、『漫然と前政権を踏襲した』などと説明を変えた」
「しかし旧民主党政権に責任転嫁するかのような説明も説得力には乏しい。経緯に関して、再調査して精査するのは当然だ」