「そういえば、3~4月は入籍のお知らせが多かった」
女子トークの合間にふとそんな話題になった。私にも同棲していたカップルの「入籍のお知らせ」が舞い込んだ。阪神大震災の後も、アメリカの9.11の後も結婚が増えたから、今後、結婚や婚活に踏み切る人はますます増えるだろう。東日本大震災の後、読売新聞が運営する女性向けサイト「大手小町」でも、「家族の安否確認をする人たちを見てうらやましかった。つくづく自分は独身なんだと痛感した」というトピックに共感の書き込みが殺到。「余震の中、一人で家にいるのが怖い」という女性たちの声をよく聞く。女性たちの結婚願望は高まっている。
婚活に特化したサイト「エキサイト恋愛結婚」では、震災直後はアクセス数がダウンしたものの、入会者数が3月の連休明けから急増。3月初旬に比べ4月初旬は男性は0.3%増、女性は10.9%増となった。
一方、別れもある。ある女性は「一番そばにいてほしいとき、彼は家族のところにいた。結局私は2番目なんだ」と不倫の関係に終止符を打った。夫婦でも「夫が結婚以来、一番頼りになっています」という意見と「うちはダメ」という両極に分かれる。
特に小さい子供を持ち、放射能問題に敏感な妻の心情を「大丈夫だって!」のひと言で切り捨てると、その後の夫婦関係に支障が出そう。未曾有の震災は「今こそ一緒にいたい人は誰か?」と考える契機となっていることは間違いない。
米軍グッズを扱う御徒町の中田商店ではドッグタグ(2枚セットの認識票)が売れているとか。指輪とまではいかなくても、愛の証しに、2人で購入して1枚ずつ交換するのが流行るかもしれない。