家族経営企業には「1代で栄え・2代でそこそこ・3代で潰す」という言葉がある。親が金持ちなら、子どもも金持ちになれるのか。お金持ちの家に生まれる子には、一体どのような運命が待ち構えているのか。専門家が解説する。

残念な2世・3世はなぜ生まれるのか

経営者や金持ちになる資質は、遺伝する場合もあるし、そうでない場合もある。

このテーマについて語るとき、とても良い例となる一家の話があります。薩摩治郎八という男をご存じでしょうか。近代、木綿商店で巨万の富を築いた薩摩治兵衛の孫として生まれ、2代目までなんとか継続できていた商売を、自分の代で駄目にしてしまった男です。