必要以上に長く眠ることが抑うつを引き起こす

実は寝すぎにも問題はあります。長時間睡眠のデメリットとしてよく知られているのは、抑うつです。週末に寝だめして昼ごろ起きたら、夕方くらいまでボーッとして何もやる気がしないという経験はないでしょうか。眠気を取ったはずなのにダルいのは、必要以上に長く眠ることが抑うつを引き起こすからです。

長期的に見ても、寝すぎの人は糖尿病や高血圧などの罹患率が高いことがわかっています。ただ、長時間睡眠と疾患の因果関係ははっきりしていません。たとえば他の要因で脳血管障害になった人は、日中の活動量が低くなります。また、うつ病の素因がある人は、発病に先行して臥床時間が長い傾向が認められたのかもしれません。つまり、寝すぎがダメと決めつけるのは早計ですが、長時間眠れるのは何らかの不調のサインかもしれません。

ところで、一日に必要な睡眠時間は8時間という説がまことしやかに囁かれていますが、あれは都市伝説。ナチュラルに回復するために必要な睡眠時間は人によって異なります。

自分の必要睡眠時間を知るには7~10日間程度、特殊な実験室に入っていただく必要があります。忙しいビジネスパーソンがそうした実験を行うのは非現実的ですが、週末や3連休を利用して睡眠不足かどうかをチェックすることくらいは可能です。

まず平日の正味の睡眠時間を一定期間記録して、平均時間を割り出します。週末は遮光カーテンで部屋を暗くして、アラームをかけずに好きなだけ寝てください。目が覚めて眠気を感じたら、二度寝、三度寝してもいい。もう眠れないと思ったところですべての睡眠時間を合計して記録し、2日間、できれば3日間の平均を計算します。その時間が平日より3時間以上長い人は、普段の睡眠時間では不十分で、心身機能に負担がかかった状態だと考えられます。放置すると前述したような健康リスクがあるので、くれぐれも注意してください。

8時間睡眠がいいという説は都市伝説

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(構成=村上 敬)