マッチングサイトは結婚の増加につながった
マッチングサイトは出会いの量を大きく増やし、出会いを求める人々が、より多くの潜在的なパートナーを探すことができるようにしました。仕事で忙しい人は、職場や友人を通じた出会いに期待していると、いつまでたっても自分の望むような人と出会えないと感じているかもしれません。マッチングサイトは、デートするまでの時間を大幅に短縮し、出会いの機会を増やしたのです。
では、マッチングサイトは実際に結婚を増やしたのでしょうか。アメリカの研究では、マッチングサイト利用の指標の代わりとして、インターネットの普及率に注目しました。この研究によると、インターネット利用機会の拡大がマッチングサイト利用を促し、結婚の増加につながったそうです。アメリカでは1990年代後半から2000年代半ばにかけて、ブロードバンドインターネットが普及しました。実際の普及のスピードには州による違いがあり、ある州では急速に、別の州ではゆっくりとブロードバンドインターネット接続が利用可能になっていきました。
この時期に州ごとの結婚の変化を見てみると、ブロードバンドの普及が急速に進んだ地域ほど、21~30歳の白人における結婚率が上がっています。仮にブロードバンドが全く普及しなかった場合と比べると、結婚数は、13~33%増えたそうです。
出会いの場はオンラインにシフトしている
ブロードバンドの発展と、マッチングサイトの利用が結びついていることはデータ上も確認された一方、人々がオフラインで友人や同僚と過ごす時間が減少していることも明らかにされました。出会いの場が、オフラインからオンラインへと次第にシフトしているのです。
興味深いことに、マッチングサイトの恩恵を最も受けたのは同性愛者であるようです。アメリカでも日本でも、同性愛に対しては少なからず偏見があるため、同性愛者はなかなか自分の性的指向を明らかにすることができません。その結果、出会いの機会がかなり限られていますが、マッチングサイトでは容易に自分の潜在的なパートナーと出会うことができます。アメリカでは同性愛者のカップルの7割近くが、オンラインでパートナーと出会ったそうです。