※本稿は、山口慎太郎『「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実』(光文社新書)の一部を再編集したものです。

お見合い結婚から恋愛結婚へ

結婚における出会いの場の役割を考えてみましょう。未婚率が上昇していることに対する有力な説明には、結婚のメリットだけでなく、出会いの機会も減ってきているのではないかというものがあります。結婚に大きなメリットを感じて結婚に前向きであったとしても、出会いの機会に乏しければ、なかなかゴールに至らないためです。

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出会いの機会がどのくらいあるのかを、データで直接検証することは難しいのですが、結婚した人々がどのような出会いから結婚に至ったのかについては、定期的に調査されています。

出生動向基本調査によると、かつてはお見合い結婚が主流でした。図表1は、お見合い結婚と恋愛結婚の割合が時代とともにどう変化してきたかを示しています。調査の区分上、こういう分け方をしていますが、お見合い結婚には愛がないなどという話ではなく、お見合いや結婚相談所経由の結婚をお見合い結婚、それ以外を恋愛結婚と便宜上呼んでいます。なお、合計が100%にならないのは、出会ったきっかけを報告していない回答があるためです。