※本稿は、山口慎太郎『「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実』(光文社新書)の一部を再編集したものです。
男性の5人に1人、女性の10人に1人は「生涯独身」
結婚しない人が増えてきている、とはよく耳にしますが、実際にはどの程度増えているのでしょうか。
図表1は、総務省が行う国勢調査に基づいて作られた50歳時未婚率の推移を示しています。つい最近までは、この数字を「生涯未婚率」と呼んでいました。厳密に言えば、生涯未婚であるかどうかは、生涯を終えるまではわからないのですが、50歳以降に初めて結婚する人はかなり少ないため、50歳時点の未婚率を生涯未婚率とみなしたのです。
戦後間もない1950年の50歳時未婚率はわずか1.5%ですから、当時はほとんどすべての人が結婚していました。男性の50歳時未婚率は、長年低いままでしたが、1990年頃、時代が平成に入るあたりから急速に上がり始め、2010年には20%あまりに達しました。女性の50歳時未婚率は上下しつつも、2000年頃までは緩やかに上昇し、2010年には10%ほどに達しています。