ウオーキングやストレッチなどの有酸素運動をするといい
もうひとつおすすめしたいのは、適度な運動です。デスクワーク中心のビジネスパーソンの多くは、慢性的な運動不足を感じているのではないでしょうか。そういう場合は、寝る2~3時間前に軽いウオーキングやストレッチなどの有酸素運動をするといいでしょう。このようにして一時的に体温を上げておくと、布団に入る頃には体温が下がり、自然と睡眠が促されます。ただし、あまり激しい運動をすると、脳が興奮して眠れなくなるので、クタクタになるまでの運動は避けてください。
また、比較データはありませんが、寝るときは全裸ではなく、やはり寝巻きを着たほうがいいでしょう。というのも、ここは高温多湿の日本です。私たちは睡眠中、冬でもペットボトル1本分程度の汗をかいています。そんな環境で全裸で寝れば、かいた汗が体の表面に残り、ムレによる不快感が寝返りを誘発。頻繁な寝返りは睡眠の妨げにつながります。そこで私が寝巻きにおすすめしているのは、肌触りがよく吸湿性に優れ、ある程度体幹を覆う「パジャマ」です。パジャマは体温を下げるためにかいた汗を吸って気化させるため、質の高い眠りを維持しやすいのです。
また、音楽を聴いたり、本を読んだりといった毎晩寝る前に行う習慣行動を「入眠儀式」といいますが、寝巻きに着替えることもそれにあたります。「寝る前にやるべきことをやった」という意識が、脳や体に「これから寝ます」という合図として伝わり、自然と睡眠スイッチに切り替わるのです。
▼日本人は、全裸よりもパジャマを着て寝たほうがいい
(構成=大高志帆 撮影=奥谷 仁)