大企業が仕組みを整えれば大きなイノベーションが生まれる
しかし決められた作業、つまり定形作業は今後どんどん機械に置き換わっていきます。そして人間が行う仕事は、これまで誰も挑戦していない新しいものを生み出すことになるはずです。そうした状況では、挑戦や失敗の評価の仕方について新しい視座が必要になってくるはずです。
「一見悪いように見えて実はよいアイデア」を発案するのは比較的簡単でも、それを実現するためには、社内に様々な仕組みが必要です。そして価値とはあくまで実行から生まれるものです。実行なくして新しい価値が生まれることはありません。会社として意図はしていないにもかかわらず、実行までたどり着きにくい仕組みができあがっている限り、スタートアップ的な新規事業を大企業で行うのは難しいでしょう。
しかし逆に言えば、大企業のように豊富な資源と優れた人材を持つ組織が、こうしたスタートアップ的なアイデアを実行できる仕組みを作ることができれば、そこからより大きなイノベーションが生まれる可能性は決して低くないと思っています。
馬田 隆明(うまだ・たかあき)
「東京大学FoundX」ディレクター
1984年生まれ。University of Torontoを卒業後、日本マイクロソフト株式会社に入社。「Microsoft Visual Studio」のプロダクトマネジャーやMicrosoftの最新技術を伝えるテクニカルエバンジェリストなどを務めた後、スタートアップの支援を行う。2016年6月より東京大学産学協創推進本部にて学生や研究者のスタートアップ支援活動に従事し、学業以外のサイドプロジェクトを行う「東京大学本郷テックガレージ」や、卒業生・現役生・研究者向けのスタートアップのインセプション(起点)プログラム「東京大学FoundX」でディレクターを務めている。近著に、『成功する起業家は「居場所」を選ぶ 最速で事業を育てる環境をデザインする方法』(日経BP社)。
「東京大学FoundX」ディレクター
1984年生まれ。University of Torontoを卒業後、日本マイクロソフト株式会社に入社。「Microsoft Visual Studio」のプロダクトマネジャーやMicrosoftの最新技術を伝えるテクニカルエバンジェリストなどを務めた後、スタートアップの支援を行う。2016年6月より東京大学産学協創推進本部にて学生や研究者のスタートアップ支援活動に従事し、学業以外のサイドプロジェクトを行う「東京大学本郷テックガレージ」や、卒業生・現役生・研究者向けのスタートアップのインセプション(起点)プログラム「東京大学FoundX」でディレクターを務めている。近著に、『成功する起業家は「居場所」を選ぶ 最速で事業を育てる環境をデザインする方法』(日経BP社)。
(写真=iStock.com)