円高・低金利、雇用危機、経営破綻・倒産……。アメリカ発金融危機により、日本の経済は、かつてない深刻なデフレ大不況に陥りつつある。どうすればいいのか? 大前研一氏は、今こそ国家100年の計で都市再生・街づくりに取り組むべきだと語る。その構想の全貌と真意は――。

国力が衰える前にやるべきこととは

アメリカの金融危機や韓国の経済危機を日本で見ていると、ポールソン米財務長官にしても、李明博・韓国大統領にしても、危機を舵取りする為政者の視野の狭さに嘆息させられる。危機の歴史を少し勉強すればわかることだが、危機に際して大きな結果を出した為政者というのは、従来の延長線上にない方向に舵を切っている。要するに思い切ったことをしているのだ。

今の為政者たちは、目の前の現実に泥縄式で対処しているだけ。見えている現象に対して対策を考えるのは凡庸なリーダーである。これが愚かなリーダーになると、今見えていない現象に対しても余計なことをやろうとする。