このほど財務省が発表した貿易統計によると、2008年度の日本の貿易収支は、28年ぶりに赤字となることが確定した。世界同時不況と円高が輸出産業を直撃した格好だが、貿易立国を支えた果敢な海外戦略が、皮肉にも赤字を助長させることにも。その本質は――。

「外貨準備」の異変が意味することとは

日本の外貨準備高に異変が起きている。外貨準備高は、対外債務の返済や輸入代金の決済など、国際収支決済のために通貨当局(政府・日銀)が保有している公的な準備資産のこと。日本では財務省が毎月発表していて、今年3月末の外貨準備高は1兆185億4900万ドルに達している。