ユニフォームは自由に選ぶことができる。自分で準備したものを着てもいいし、病院で用意したものでもいい。病院では、複数のデザインのものが更衣室に用意されており、その都度好きなものを着用することができる。医師も看護師も同じ仕組みで、着衣で見分けはつかない。

熊谷氏は語る。「5年目くらいの若い看護師ですが、『昼間の勤務のときはピンク、夜間の勤務のときは紺色を着る』と言うんです。なぜかと聞いたら、『昼間は手術があったり、入院・退院があったりするので、患者さんに元気をあげられるピンク。夜は皆さん眠らなくてはいけませんから、落ち着く紺色です。万一患者さんがお亡くなりになったら、やはり紺色にします』と。小さなことかもしれませんが、やはり自分で決めさせると、そこからプロになっていくんです」。

24時間、365日稼働の保育施設を設置

家庭を含め、看護師が希望するライフスタイルを可能にする工夫もある。

子供を持つ看護師が働きやすいよう、保育施設を整備。夜勤などにも対応できるように24時間365日稼働となっている。

東部病院では、病院によっては抵抗感の強い、パートや派遣の看護師も採用している。「『子供がいるので週2回しか働けない』『子供の夏休みの2カ月間は働けない』という人もいました。最初は私も悩みましたが、彼女たちは、それでも看護師に戻りたい、この病院で働きたいと思ってくれている。その気持ちを大事にしたいと思ったんです」(熊谷氏)。

現在では看護師のうち8.7%が、パートと派遣だ。「1割くらいになってもいい」と熊谷氏は考えている。「これからは多様な働き方を認めていかなくては、看護師の世界は行き詰まる」との危機感を持っているからだ。

同病院では、パートや派遣の看護師も、同じプロとして常勤職員と同様の責任を与えている。仕事内容も、常勤、非常勤の区別はない。しかも、表面的な掛け声に留まらず、雇用形態が違う看護師が共存する組織となっている。

「看護師は昔から、同じ釜の飯を食って、夜勤などの苦労を共にしないと認めないという、排他的なところがありました。私は新しい病院を、そういう組織にはしたくなかったんです。パートや派遣の看護師も排除されず、一緒に働ける文化ができたことは誇りです」と熊谷氏は笑顔を見せる。