イメージだけで議論しない
日本のように、労働者だけを受け入れるケースもそうですが、扶養家族をも受け入れる本格的な移民制度では、外国人労働者は自国への仕送りより、日本にいる家族にお金をかけるようになり、さらに経済を刺激します。
実際に1990年代半ばから移民の人口比率を増やしたスペインは、移民の流入によって高い経済成長を達成しましたが、2008年までは失業率も上がっていません(08年以降は深刻な金融危機によって経済が低迷し、失業率も大幅に増えていますが、移民政策の問題ではありません)。
こういうデータや具体的な事例はたくさん存在するのに、移民・難民問題はよく「イメージ」だけで語られてしまいます。でも、そのイメージには思い込み、先入観、固定概念などの「バイアス」がかかっているかもしれません。もし「バイアス」がかかっているようならば、なるべくそれを外し、視野を広げ、事実を把握してから日本の未来を形作る議論に挑むべきではないでしょうか。